高血圧や動脈硬化などが気になる年代は「塩分の摂りすぎ」に注意が必要です。
でも、減塩=味気ない食事、ではなかなか続きません。
本記事では、出汁や香辛料を活用した工夫や、無理なく続けられる減塩レシピを紹介し、シニアに優しい美味しい食事のヒントをお届けします。
なぜシニアに減塩が必要なのか
シニア世代にとって減塩は、健康を守るための基本習慣です。
塩分を摂りすぎると血圧が上がりやすく、高血圧や心臓病のリスクを高めてしまうからです。
年齢を重ねると血管の柔軟性が低下し、体が塩分を排出しにくくなります。
少しの塩分でも血圧が上がりやすくなり、「以前よりも塩辛く感じにくい…」といった味覚の変化を実感する方もいることでしょう。
1日の塩分摂取目安は6g未満とされていますが、日本人の平均はそれを上回っています。
減塩でもおいしく食べられる調理の工夫
減塩しても、工夫次第で満足できる味に仕上げられます。
塩分に頼らず、塩分以外での味付けを工夫しましょう。
旨味や香りを活かすと、塩分を減らしても味気なさを感じにくくなるので、味の物足りなさをカバーできます。
減塩でもおいしく食べられる工夫として以下の3つを紹介します。
出汁や香辛料を活用する
酸味で味を引き立てる
素材のうまみを生かす
出汁や香辛料を活用する
減塩でもおいしく食べるには、出汁や香辛料を活用すると効果的です。
旨味や香りを足すことで、塩分を控えても満足感が得られます。
年齢を重ねると「少し味が薄いかもしれない…」と感じる方も多いでしょう。
そんなときは、鰹節や昆布の出汁、ショウガやニンニクの香りを加えることで、塩分を減らしてもおいしさを感じやすくなります。
出汁と香辛料を上手に組み合わせて、減塩に慣れていきましょう。
酸味で味を引き立てる
減塩料理に酸味を取り入れると、味変効果で塩を使わなくても味が引き締まります。
レモンや酢の爽やかさが、料理全体のバランスを整えてくれるのです。
酸味の刺激が、塩分が少ない味気なさをカバーする
レモンは香りが良いので食欲を高める効果がある
酸味は薄味を補うだけの個性があるので、減塩しても日常の食事を楽しめます。
素材のうまみを生かす
減塩でも満足感のある食事にするためには、素材そのものが持つうまみを最大限に引き出すことが大切です。
食材の持ち味を活かせば「薄味=物足りない」とは感じにくくなります。
野菜や魚、肉、きのこ類
天然のうまみ成分(グルタミン酸やイノシン酸)が豊富に含まれている
トマト・昆布・かつお節・干ししいたけ
代表的なうまみ食材
出汁と野菜のうまみで深い味わいに仕上げましょう。
シニア向け減塩レシピ例
以下に紹介する、シニアにおすすめの減塩レシピは、シンプルながらも栄養が整い、食べごたえがある料理です。
調味料を減らしても、工夫することで十分おいしく食べられます。
- 野菜たっぷりの具だくさん味噌汁は、味噌の量を控えめにしながら出汁の風味で満足感を出す
- 蒸し野菜にノンオイルのドレッシングをかける
- 魚をレモンやハーブで焼き上げれば減塩でも風味豊か
こうした工夫を取り入れたレシピは、日々の食事に彩りを与え、無理なく減塩を続ける助けになってくれます。
一番大事なのは、「これからは減塩が自分の味付けの基準になる」というのを脳に理解させることだと思います。
不思議なもので、食事の「量」と「質」を見直すようになった現在の私は、ふつうの塩味を濃いと感じたりします。
体が慣れてくれるんだな、と受け止めています。
なので、“減塩” には早く慣れてしまいましょう。
外食や宅配で減塩する工夫
外食や宅配を利用する際も、減塩を意識しましょう。
選び方やちょっとした工夫で、塩分の摂りすぎを防げます。
外食は味付けが濃くなりがちなので、自主的に規制をかける感じで、できる範囲での工夫を実践しましょう。
汁物なら汁をいくらか残す
ソースが別添えなら少なめにかける
和食で素材の味を活かした料理を選ぶ
まとめ|減塩習慣で体に優しい食生活を
シニアにとって減塩は、生活習慣病の予防や健康寿命を延ばすために欠かせません。
出汁や香辛料、酸味や素材の旨味を取り入れれば、塩分を減らしても満足感を保てます。さらに、自宅の調理だけでなく、外食や宅配でも工夫を意識しましょう。
毎日の小さな積み重ねが、体に優しい食生活につながります。
今日から減塩習慣を意識して、健康で元気なシニアライフを目指しましょう。